自転車競技において、空気抵抗(風の抵抗)は重要なポイントです。スピードが速くなるほど体に受ける風圧は強くなり、より体力を消耗します。
レースでは、負担を分散してそれぞれの体力をできるだけ温存するため、チームメンバーが1列に並び、先頭を交代しながら走ることがあります。列車が連結しているように一列棒状になって走るため『トレイン(を組む)』と言います。
また、利害関係が一致すれば、他チームと隊列を組んで、負担を分け合うこともあります。
仕組み しくみ 特徴 セオリー 基本 基礎
更新日 : 2019年4月11日
列車のように縦一列に並んで走る状態を「トレイン」と言います。列の後ろにいくほど受ける空気抵抗は減り、楽に走ることができます。
人によって、また状況によって多少の差はあるものの、2番手につけたとき受ける空気抵抗は、先頭の約半分程度と感じる選手が多いようです。3番手なら、さらに空気抵抗は軽くなるといいます。
スピードが出ているとき、風が強いときほどその恩恵は増し、前を走る選手の体格が大きければさらに風よけ効果は大きくなります。
エースは、ゴール前の優勝争いでしっかり力を発揮できるよう、後方の楽な位置でチーム員に守られながら体力を温存して走ります。
仕組み しくみ 特徴 セオリー 基本 基礎
更新日 : 2020年3月27日
集団とは、複数の選手がまとまって走っている状態のことで、積極的に前へ出る「逃げ集団」や、大人数で移動しながら機をうかがう「メイン集団」などがあります。メイン集団は、2つ以上に分断されると、前から順に「第1集団」「第2集団」と呼ばれるようになります。また、メイン集団から飛び出して逃げを追うグループを「追走集団」、メイン集団から遅れ、失格(タイムアウト)にならない程度のペースで走るグループを「グルペット」と言います。
ロードレースは空気抵抗との戦いでもあるので、集団は人数が多い方が有利。空気抵抗が大きい先頭を交代できる要員が多ければ一人ひとりの負担は減り、集団の中央部は壁に囲まれた状態でほぼ無風になるため負担が小さくなります。
戦略や作戦に応じて駆け引きをしながら、いくつかの集団でレースは進行していきます。
仕組み しくみ 特徴 セオリー 基本 基礎
更新日 : 2020年3月27日
急加速して集団から飛び出し、他の選手を出し抜こうという動きです。レース序盤に「逃げ」を試みる場合や、勝負所で集団の前へ出ようとする場合など、仕掛ける場面や目的は様々です。
チームメイトや他チームの選手が追随して少人数の一団となる場合や、再び集団に飲み込まれてアタックを繰り返す場合もあります。
アタックを仕掛けた選手を追いかけて集団に再び取り込み(ロードレースでは「吸収する」と表現します)、攻撃が不発に終わった直後に別の誰かがアタックすることをカウンターアタックと言います。吸収された選手はアタックを掛け直す力が残っておらず、集団はアタックを吸収して一瞬気が緩んで反応が遅れやすいタイミングなので、攻撃が決まりやすい(抜け出しやすい)と言えます。
仕組み しくみ 特徴 セオリー 基本 基礎
更新日 : 2019年4月11日
メイン集団から飛び出すことです。一人のときもあれば、何人かが一緒に飛び出したり、他チームからも追随する選手が出たりして、複数人で先行することもあります。そのまとまりを「逃げ集団」と呼びます。
たくさんの選手で先頭交代をしながら風の抵抗による負担を分けあえる後方のメイン集団と違って、人数の少ない逃げ集団では、大きな風圧を受けて体力が削られます。そのため、ゴールにたどり着く前にメイン集団に追いつかれてしまうことがほとんどです。
海外に比べて距離が短い日本のレースでは、逃げ切り勝ちが決まりやすい傾向があります。
仕組み しくみ 特徴 セオリー 基本 基礎
更新日 : 2019年4月11日
@逃げ切り勝ちを狙う
距離も時間も長い自転車ロードレース では、空気抵抗の影響を受けながら先頭で走り続けることは難しく、逃げ切り勝ちは簡単なことではありません。ほとんどの場合、メイン集団に吸収されて順位を下げますが、逃げるペースが速くメイン集団と大きく差が開くと、逃げ集団の中から優勝者が生まれることもあります。したがって、チームメンバーの誰かが逃げ集団に加わっておくことはとても重要です。
A目立つ!
最初に通過する、しかも少人数の逃げ集団の方が、後から数十人まとまってやってくる大集団より目立ちます。観戦客にも、中継や報道のカメラにも、顔やジャージ、自転車がはっきり見えます。ジャージにはスポンサーの名前がプリントされているので、たくさんの人に見てもらえると、チームにもスポンサーにもメリットとなります。
Bメイン集団にいるチームメイトが有利になる
チームから1〜2人が逃げると、後方の集団にいる選手たちは、脚(体力)を使わず楽に走ることができます。
なぜなら、1つは逃げた選手がそのまま勝つ可能性があるから(自分たちが無理をする必要がない)。もう1つは、逃げに乗せていない(逃げ集団に誰も送り込めていない)チームに逃げ集団を追わせることで消耗させ、その間も自分たちは空気抵抗の少ない後方で、ついていくだけでいいからです。
仕組み しくみ 特徴 セオリー 基本 基礎
更新日 : 2019年4月15日
各チームから複数の選手が出場し、それぞれが役割を持ってチームで戦う自転車ロードレース。場合によっては、レース中に他チームの選手と協力することもあります。それを「協調(する)」と言います。
例えば、メイン集団から飛び出して先行する「逃げ集団」は少人数であることが多いので、チームに関係なく協力し、先頭交代しながら走って空気抵抗を受ける時間を分担します。一人ひとりの負担を減らすことで体力の消耗を軽減するためです。メイン集団との差を広げるため、協力してペースアップすることもあります。
一方、メイン集団でも、逃げ集団に追いつきたいチームが複数ある場合などは協調が起こることがあります。空気抵抗を受けながら加速して追い上げなければいけないので、各チームから数人ずつを出して先頭交代しながらペースアップしようと、協調します。
思惑が一致すれば、色々な場面でチームの壁を超えた協調体制が取られることがあるということです。いずれの場合も、互いの動きを読み合うほか、協調したい相手に声をかけて会話をしながら合意を得ていきます。
仕組み しくみ 特徴 セオリー 基本 基礎
更新日 : 2019年4月16日
アタックを仕掛けて、先頭を1人で走ること。常に空気抵抗を受けながら進むことになるため、脚に自信があるからこそできることです。
戦略的に独走に持ち込む場合もあれば、誰もついてこられず結果的に独走になる場合もあります。集団に追いつかれて吸収されることもありますが、勝負の決め手にもなりうる走りです。
仕組み しくみ 特徴 セオリー 基本 基礎
更新日 : 2019年4月17日
ひとかたまりで走る「集団」から飛び出して先行する「逃げ」は、追ってくるメイン集団に吸収される(取り込まれる)ことがほとんどです。ハイペースで走り続け、追いつかれることなく先にゴールを駆け抜けることができたら、逃げ切り成功(逃げ切り勝ち)です。
仕組み しくみ 特徴 セオリー 基本 基礎
更新日 : 2019年4月5日
監修 ヴィクトワール広島