ロードレース選手の多くは、腕や脚、顔のどこかしらに傷痕があります。
選手たちは、体にフィットした薄手の「ジャージ」と呼ばれるウェアでレースに臨みます。半袖、膝上までのハーフパンツなので露出している部分も多く、プロテクターもつけていません。体を保護するものはヘルメットのみなので、けがの危険とは隣り合わせです。
レースでは、40〜80km/hものスピードで、隣の選手とわずか数センチまで接近して走ることもあります。ほんのちょっとしたことが落車(転倒)につながることもあり、1人が落車すれば多重事故になることも少なくありません。落車すれば、擦過傷のほか脱臼や骨折などの重傷を負うことも。
けがをしても、骨折などの重傷でなければゴールまで走りきる選手もいます。また、重傷を負ったとしても、その人にとって重要なレースであれば走りきる場合もあります。
例えば2018年の第1回広島クリテリウムでは、ヴィクトワール広島の藤岡克磨選手が開始早々に落車して歩行困難なほどのけがを負ったにも関わらず、地元ファンの声援に背中を押されて完走。チーム最高位の15位でフィニッシュしました。
勝つため、あるいはチームに貢献するためなど、目的や理由があればけがをしても走る選手もいるということです。また、アドレナリンが出ているせいか、レース中は痛みを感じないという選手もいます。
特徴 基本 基礎
更新日 : 2020年3月30日
ロードレース選手は、腕や脚の毛を処理するのが一般的です。けがをしたとき治療しやすくするため、傷口から細菌が入りにくくするため、空気抵抗を少しでも減らすためなどの理由からです。
選手によっては、毛の処理をするのは落車に備えるようなものだからと、大事なレース前はゲンを担いで処理しないこともあるそうです。
特徴 基本 基礎
更新日 : 2019年4月11日
日本ではあまりありませんが、海外では5時間を超えるなど長時間にわたるレースが多く、途中でトイレに行く必要が出てきます。誰かがトイレのため戦列を離れたときはペースダウンして復帰を待つのが暗黙のルールで、自転車にまたがったまま用を足すという荒技も、珍しくはありません。
特徴 基本 基礎
更新日 : 2019年4月5日
自転車ロードレースは、コースの距離やアップダウンの割合などにもよりますが、1回のレースで3000〜7000kcalも消費すると言われています。
長時間にわたって強度の高い運動を続けると、脱水症状や低血糖に陥って体が動かなくなったり、ひどい場合には命に関わることもあります。そうならないために、選手は走りながらこまめに飲んだり食べたりします。
すぐエネルギーに変わる糖質が主で、ジェルタイプのものが好まれますが、くり抜いたフランスパンにジャムを詰めたものや白米にフレイバーをつけた「ライスケーキ」など、チームごとに工夫をしています。バナナを好む外国人選手も。
脂質が少なく糖はしっかり取れる「あんこ」は補給食にも適しており、ヴィクトワール広島では、広島土産として人気のもみじ饅頭を製造販売している地元企業・やまだ屋の“桐葉菓”を補給食としています。
また、2020年シーズンからは京都の老舗製薬会社・日本新薬株式会社のエナジージェル「WINZONE」(ウィンゾーン)を使用しています。
各人の好みに合わせてチームでは補給食やドリンクを用意し、マラソンの給水所のような「補給所」でチームスタッフから渡します。チームカーがコース上を一緒に走れる国際レースなどでは、車に乗り込んでいるスタッフから渡します。
各チームとも出場メンバーは「エース」とそれを助ける「アシスト」の役割に分かれますが、レース中に補給食をチームメイトに配るのもアシストの重要な仕事のひとつです。
特徴 基本 基礎
更新日 : 2020年3月300日
1日の練習やレースで3000〜7000kcal以上も消費するというロードレース 選手。走っている途中もこまめにカロリー補給できるよう、「補給食」と呼ばれる高栄養食を摂っています。そうしないと極度の低血糖状態になり、体に力が入らなくなって思考力が低下してしまうからです。(ハンガーノック)
普段の生活でも、エネルギーを枯渇させないためと筋肉を落とさないため、食事にも気をつけています。ボクサーなどのように体重制限があるわけではないので、細かいカロリー計算などは必要ありませんが、炭水化物やタンパク質を十分に摂るなど必要な栄養をしっかり摂取することは大切です。
レース前日や当日は、すぐエネルギーにならない脂質とむくみの原因となる塩分は控え、燃料として使いやすい炭水化物と、疲労回復効果があるタンパク質を積極的に摂るようにしているようです。
特徴 基本 基礎
更新日 : 2019年4月5日
練習のプランは、選手やチームによって様々です。内容(メニュー)は脚質によっても異なりますし、メニューによって、また個人練習かチーム練習かによっても時間の長さが変わります。
強くなるための練習のほか、疲れている時にあえて体を動かして回復を促す「アクティブリカバリー」と呼ばれる練習をしたり、場合によっては疲労を抜くために完全休養をすることもあるそうです。
特徴 基本 基礎
更新日 : 2020年3月30日
ロードレース選手のコメントには、よく「脚」にまつわる言葉が登場します。これは「脚のガソリンがどのくらいあるか」ということ。
例えば「脚がある(残っている)」といえば「まだ余力がある」「まだ踏める(脚を動かして加速することもできる)」という意味で、「脚が(残ってい)ない」なら「脚が疲れてパンパンで、もう踏めない」。「脚を削る(削られる)」は、ペースアップなどで力を使って消耗することを指しています。
レース中に「あいつ、まだ脚があるぞ」と選手が言えば、「もう元気がないようなフリをしているけど、まだ力を残してる。要警戒だぞ」ということです。
特徴 基本 基礎
更新日 : 2019年4月5日
ロードレースのスタートの仕方は、大きく分けて2つあります。
1つは、全員が「ヨーイ、ドン」で出走する「マスドスタート」。もう1つは、ロードレース独特の、「ローリングスタート」です。審判車を先頭に選手全員がゆっくり走り出し、ある地点で旗が振られたら、そこから本当にレースが始まります。その瞬間を「リアルスタート(またはアクチュアルスタート)」と言い、それまでのゆっくり走る部分を「パレード(ラン)」と言います。
特徴 基本 基礎
更新日 : 2019年4月11日
監修 ヴィクトワール広島